「地蔵??どこにですか?」
再び見ると、そこには何も無かった・・・
「この島には、地蔵さんはひとつもないですよ??」
そんなわけはない!・・・気のせい?・・・まさか!!
しかし、地蔵の姿は消えていた・・・
「にゃちさん? 皆様が待っております。食事も出来てますよ」
ロキは楽しそうに笑った。
もう1度後で確かめに来よう・・・幻覚!?
「あ、はい、すいません。お願いします。」
ロキの背中を見ながら、屋敷へ5人は森の中を無言で歩いて行った。
10分程で、古い石造りの大きな洋館に着いた。自己紹介の後、各自は二階の客室に案内された。
ロキが言うには、この後4人遅れて参加するらしい。
部屋は一人用には広く、全てがアンティークのせいか古く
とても・・・薄気味悪く感じるのは、さっきの地蔵のせいだろうか・・・。
窓から外を見る
見えるわけないか・・・この島は地蔵はないってロキが言ってたし
その時突然ドアが開いた。
「あ!ごめんなさい!部屋間違えてしまって!」
振り返ると同じ船にいたあの女性、ユチだ。そう彼女だ。
恥ずかしそうにしてる僕は彼女に近づき手を差し出し
「君は・・・運命って信じる?」
と問いかけ、手をとる。
ユチは驚いて大きな瞳で僕をみつめてる。そして我に返り
「私・・・部屋・・・ごめんなさい。もう行きますね」
後ずさりし、部屋を飛び出した。
「待って!」
部屋を出て追いかけようとすると、部屋の外にはエドンが立っていた。
「にゃちさん、駄目です・・・彼女だけは駄目です!!」
今まで見たことも無い真剣な表情のエドンに、足が止まった。
「彼女だけは・・・??どうゆう意味だ?」
つづく